令和8年1月施行 行政書士法改正について|在留資格申請に関われる範囲が明確化
2026/01/29
投稿者:スタッフ
2026年(令和8年)1月1日より、改正行政書士法が施行されました。
今回の行政書士法改正では、行政書士制度全体に関わる重要な見直しが行われており、主な改正点は次の 5点 に整理されています。
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「行政書士の使命」の明記
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「職責」の新設とデジタル社会への対応
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特定行政書士の業務範囲の拡大
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業務の制限規定の趣旨の明確化
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両罰規定の整備・強化
これらはいずれも、特定の業務分野のみを対象としたものではなく、行政書士の業務範囲や責任の在り方を整理し、制度全体の実効性と信頼性を高めることを目的とした改正です。
本記事では、上記改正点のうち、④「業務の制限規定の趣旨の明確化」 に関係する部分に焦点を当て、その影響が分かりやすく現れる 在留資格申請の実務 を題材として解説します。
在留資格申請は、行政書士以外の第三者が関与しやすい一方で、書類作成の責任の所在が問題となりやすい分野でもあります。
今回の法改正を踏まえ、企業および外国人本人がどのような点に注意すべきかを整理していきます。
行政書士法改正の背景
これまで在留資格申請の実務では、
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行政書士ではない第三者が
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実質的に申請書類の内容を作成し
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受入機関本人または申請人名義で申請が行われる
といった、制度趣旨との整合性が問われる運用が一部で見受けられました。
このような運用は、
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申請内容の正確性が担保されにくい
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書類作成の責任の所在が不明確になる
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結果として外国人本人や受入企業に不利益が生じる
といった問題につながるおそれがあります。
こうした背景を踏まえ、今回の行政書士法改正では、行政書士が作成する書類業務の範囲と責任を明確にする整理が行われました。
令和8年1月施行 行政書士法改正のポイント
書類作成の責任主体の明確化
在留資格申請に関する申請書、理由書、活動計画書などの書類については、原則として 行政書士または申請人・受入機関本人 が作成責任を負う業務であることが整理されました。
これは、在留資格申請に限った特別なルールではなく、行政書士が関与する業務全般に共通する整理であり、その一分野として在留資格申請にも影響が及ぶものです。
第三者による実質的な書類作成への注意
以下のような行為は、業務内容や関与の度合いによっては、法令上問題となる可能性があります。
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登録支援機関や人材会社が申請書類の内容を作成する
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コンサル会社が理由書や活動計画書を作成する
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「サポート」と称して申請書類を完成させる行為
一方で、事実確認、翻訳、助言といった補助的な関与は可能ですが、最終的な文書作成責任は行政書士または申請人本人に帰属します。
受入企業への影響
今回の法改正により、受入企業が直ちに罰則の対象となるわけではありません。
ただし、
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申請体制や役割分担が不明確な場合
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実態と異なる内容で申請が行われている場合
には、
申請内容や体制について説明や整理を求められる場面が生じる可能性があります。
外国人採用においては、「誰が申請書類を作成しているのか」「作成責任の所在が明確かどうか」を意識した体制づくりが、今後より重要になります。
外国人求職者への影響
外国人本人にとっても、
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書類内容が実態と合っていない
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作成責任が不明確なまま申請が行われている
といった状況は、
将来の在留資格更新や変更手続に影響を及ぼす可能性があります。
在留資格の手続きを円滑に進めるためにも、申請がどのような体制で行われているかを確認しておくことが重要です。
よくある質問(Q&A)
Q1.登録支援機関は、今後何もできなくなるのでしょうか?
いいえ、そのようなことはありません。
登録支援機関は、生活支援、相談対応、関係機関との連絡調整など、引き続き重要な役割を担います。
ただし、在留資格申請に関する書類そのものの作成については、行政書士または申請人本人が行う必要があります。
Q2.これまで通り外部に任せていれば問題ありませんか?
形式上は受入機関や本人の申請であっても、実質的な書類作成を第三者が行っている場合は注意が必要です。
制度改正後は、誰が内容を作成し、誰が責任を負っているのかという点が、より重視されます。
Q3.受入企業が違反として処分されることはありますか?
今回の改正により、受入企業が直ちに処分や罰則の対象となるものではありません。
ただし、申請体制の見直しや説明を求められる可能性はあり、結果として採用や更新スケジュールに影響が出ることも考えられます。
WORKGOの考え方
WORKGOでは、外国人材の就労支援と企業の採用支援を行うにあたり、法令遵守(コンプライアンス)を前提とした運営を重視しています。
在留資格申請については、行政書士が関与する体制を基本とし、人材紹介や就労支援と行政手続きを適切に切り分けることで、企業・外国人双方が安心して利用できる仕組みを目指しています。
まとめ
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令和8年1月1日より行政書士法が改正
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改正の趣旨は、行政書士の業務範囲と責任の明確化
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在留資格申請は、その影響が及ぶ代表的な分野の一つ
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企業・外国人双方にとって、申請体制の確認が重要
外国人採用や在留資格手続について不安がある場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
